ケアマネってどうやったらなれるのかな?
ケアマネになったらどういう仕事をするんだろう?
介護の仕事をしている人にとって、ケアマネはよく耳にする職種のひとつです。
しかし、現場で働いているとケアマネの仕事を目にすることはあまりないため、「どんな仕事をしているんだろう?」「事務仕事で楽そう」と思っている人も多いのではないでしょうか。
仕事が難しそうだから、選ばれた人だけがやるイメージもありますね。
実は、ケアマネの試験はきちんと勉強していれば合格できる資格です。
また、仕事内容は多岐に渡るので、とてもやりがいのある仕事でもあります。
この記事では、ケアマネになるための試験と研修、仕事内容まで、ケアマネの全てをコンパクトに説明しています。
これからケアマネを目指す人、ケアマネという資格が気になる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
介護保険に欠かせない仕事であるケアマネとは?
介護保険制度の誕生と同時に生まれた資格であるケアマネは、介護保険サービスの要ともいうべき重要な資格です。
この項目では、次の4つについて、私の経験も踏まえて解説していきます。
ケアマネの役割と仕事内容については、こちらの記事もご覧ください。
ケアマネの定義
ケアマネとは、介護を必要とする人がスムーズに介護サービスを利用できるよう、調整したり相談を受けたりする仕事です。
介護保険制度の始まりと同時に生まれた資格で、正式名称を「介護支援専門員」といいます。
一般的には「ケアマネ」や「ケアマネジャー」と言われることが多いですね。
ケアマネの仕事は誰もが行うことはできず、年1回行われるケアマネ試験に合格し、合格後の実務研修を修了した人だけがケアマネとして働くことができます。
ケアマネは、介護保険制度の中では重要な役割を持つ仕事といえるでしょう。
ケアマネの仕事内容
ケアマネの仕事には、相談調整業務と事務作業があります。
相談調整業務
ケアマネの仕事として、まず思い浮かぶのが、相談業務です。
介護に関わる相談を高齢者やその家族から受け、その人が抱える問題点を整理したうえで、解決策を提案していきます。
相談業務っていうと、必要な時に相談するイメージがありますね。
ケアマネの場合は、定期的に利用者のもとへ訪問し、状況を把握したり、新たな問題が発生していないかなどの確認をしていますよ。
また、利用者のニーズに合うサービスの情報を提供し、調整するのもケアマネの仕事です。
デイサービスやヘルパー利用といった介護保険サービスだけでなく、配食サービスや訪問理美容などの介護保険以外のサービスの調整も対象です。
利用者の状況によっては、地域包括支援センターや役所と連携して動くこともあります。
事務作業
ケアマネは、書類作成する機会の多い仕事です。
中でも、ケアプランの作成は介護保険サービスに位置付けられている重要な仕事であり、ケアマネにしか行うことができません。
また、介護サービス事業者の報酬分を請求する給付管理も大事な仕事です。
お金に関わる業務もあるんですね。
その他、要介護認定の申請を行う際の支援や代行申請もケアマネの仕事のひとつです。
ケアマネ資格を取得するメリット
ケアマネの資格を取得するメリットは3つあります。
体力的負担が少ない
ケアマネは相談業務や事務作業がメインなので、介護に関わる職種では珍しく体力的負担が少ない職種です。
私の周りには、腰痛もちで現場での仕事に不安を感じ、ケアマネを目指した人がたくさんいます。
私は年齢を重ねた時に体力の不安が出てくるのでは?と感じ、ケアマネを目指しました。
介護業界で長く働きたいけど、体力面に不安がある人には、大きなメリットといえるでしょう。
平日勤務で日勤中心
勤務先にもよりますが、一般的にケアマネは平日勤務で日勤中心の勤務体制であることがほとんどです。
毎日の生活リズムが安定するので、プライベートの時間を有意義に使えます。
ケアマネになってから、ずっと続けている習い事に休みなく行けるようになったわ。
また、子どもがいる人にとっては、保育園や幼稚園、学校が休みの日に子供と一緒に過ごせる時間を作れます。
我が家では、休みの日に色々なところに出かけられるようになったと、子どもたちが喜んでいます。
給料アップが見込める
ケアマネ資格を取得する最大のメリットともいえるのが、給料アップが見込めることです。
厚生労働省によると、令和3年度の介護職員の平均基本給は18万7千円なのに対し、ケアマネは22万円と3万円強も高くなっています。
介護職の中でも給与水準が高く、ケアマネ資格を取得することで給料アップが見込めることは間違いないでしょう。
ケアマネ資格の取得要件
ケアマネの資格を取得するためには、21種類の国家資格と5年以上かつ900日以上の経験が必要です。
中でも多いのが介護福祉士で、私も介護福祉士からケアマネになりました。
ケアマネの受験要件については、こちらの記事に詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。
ケアマネになるチャンスは年1回!ケアマネ試験の全て
ケアマネになるためには、年1回行われる試験に合格する必要があります。
ケアマネ試験ってどんな内容が出題されるの?
どんな資格を持っている人が合格しているのかしら?
この項目では、ケアマネ試験の内容や合格率、合格者の傾向など、ケアマネ試験の謎を全て解明します。
ケアマネ試験の概要
ケアマネ試験は、例年10月に実施されます。
管轄は都道府県となりますが、試験日は全国統一となっています。
問題数は60問、試験時間は120分となっています。
試験概要については、こちらの記事に詳しく書いていますので、ご覧ください。
試験範囲は「介護支援分野」と「保健医療福祉分野」
ケアマネの試験範囲は、「介護支援分野」と「保健医療福祉分野」にわかれています。
「介護支援分野」では、介護保険制度を取り巻く状況や体制、公的制度などが問われます。
介護支援分野からは全25問出題されます。
介護支援分野の詳しい内容と勉強法は、こちらにまとめてあります。
「保健医療福祉サービス分野」では、介護に関する知識や技術、介護保険サービス、関係性のある制度の知識などが問われます。
保健医療福祉分野は全35問が出題されます。
保健医療福祉サービス分野の詳しい内容と勉強法は、こちらにまとめてあります。
出題形式は、5つの選択肢から正しいものを2つもしくは3つ選ぶものとなっています。
全ての回答が正解しないと点数が取れないため、しっかりと勉強して知識を身に付けておきましょう。
受験者数と保有資格
令和4年度に実施されたケアマネ試験では、受験者数は約5万5千人でした。
受験者のうち、最も多かったのが介護福祉士の44.7%、次いで看護師の23.7%です。
ケアマネ試験を受験する人の多くが、介護現場で働く機会の多い介護福祉士や看護師ということがわかります。
合格基準と合格率
ケアマネ試験の合格基準は、正答率7割を基準としたうえで、その年の問題の難易度で補正がかかります。
この正答率は全体だけでなく、「介護支援分野」と「保健医療福祉分野」のそれぞれで基準を満たしておかなければなりません。
全体で合格基準を超えていても、分野別の基準を満たしていなければ不合格となるので注意しましょう。
私は介護支援分野が苦手で、「あと1問で合格できたのに」という悔しい思いを経験しました。
まんべんなく知識を身に付けていくことが、合格の近道といえます。
めざせ一発合格!実際に試したケアマネ試験勉強法
ケアマネ試験に挑戦するなら、一発合格を目指したいですよね。
私が試した方法や合格した人の話を聞いて、ぜひこれはオススメしたいという勉強法を紹介します。
おすすめの勉強法3選
ケアマネ試験に合格する勉強法は「独学」「通信教育」「通学講座」の3つ。
それぞれの勉強法の違いを知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
独学で頑張ると決めている人は、こちらの記事がオススメです。
通信教育をどれにしようか迷っているなら、こちらの記事を読んでくださいね。
効率的に勉強する方法
効率的に勉強するには、勉強する環境を整えることも大切です。
私が実際に行っていた勉強環境の作り方はこちら。
働くお父さんお母さんにとって、悩みどころの家事を時短する方法はこちら。
ケアマネ試験に合格するためには、失敗するとわかっている方法は避けましょう。
私の失敗談をまとめた記事はこちら。
知っておきたいケアマネ試験合格後の流れ
ケアマネとして働くためには、試験合格後に実務者研修を受け、登録を済ませる必要があります。
研修からケアマネの仕事に就くまでの流れは次の通りです。
実務者研修を受講するうえで、知っておきたいのが研修の概要と費用面です。
ケアマネとしてどんなところで働けるかも知っておきたいですね。
実務者研修の概要
実務者研修では、講義・演習で87時間、実習3日の日程が計画されています。
研修期間は自治体によって異なるため、実際の日程については合格後に送られてくる書類でしっかり確認してください。
私の住んでいる山口県では、1~3月にかけて研修が開催されています。
なお、ここ数年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、一部オンライン講義となっているケースもあります。
実務者研修にかかる費用
実務者研修の費用は、自治体によってまちまちです。
全国平均は、約5万7千円です。
実際にかかる費用や支払期限は、合格後に届く書類に記載してあります。
支払い忘れて受講できないことのないように、早めに手続きしておきましょう。
実務者研修は教育訓練給付金の対象
実務者研修の費用って思ったよりかかるね。支払えるか心配。
実務者研修は教育訓練給付金の対象です。
利用すれば費用負担を減らすことができますよ。
実務者研修は教育訓練給付金の対象となっているため、雇用保険に一定期間加入している人であれば、費用負担を抑えることができます。
試験合格の際に送付される書類の中にも、教育訓練給付金の説明や書類が添付されています。
思っているよりは手続きの期間が短いので、書類が届いたら早急に動いた方がよいでしょう。
教育訓練給付金の手続きの仕方や流れなどについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
これを読みながら作業すると、スムーズに手続きできること間違いなし!
ケアマネ資格を活かせる職場
ケアマネ資格を取得したら、資格を活かせる所へ転職したいと考える人も少なくありません。
ケアマネ資格を活かせる主な職場としては、次の5つがあります。
・居宅介護支援事業所
・介護保険施設(特養、老健、介護医療院)
・グループホーム
・小規模多機能型居宅介護
・介護認定調査員(経験を要するケースあり)
仕事と研修を並行して転職活動をするのは大変なので、求人サイトを活用すると効率的に仕事を探すことができます。
ケアマネ専門の求人サイト「PECORI」なら、専任のキャリアコンサルタントが求人探しから就任に至るまで、丁寧にサポートしてくれますよ。
登録はもちろん無料!
早めに登録して転職時期を伝えておけば、希望の時期に合わせてサポートしてくれます。
研修前に登録だけでも済ましておきましょう。
まとめ:ケアマネ資格を取得してキャリアも給料もアップしよう
ケアマネは相談役や調整役などさまざまな役割を持つため、とてもやりがいのある仕事です。
また、介護の仕事の中では給与水準が高いので、給料アップが見込めます。
ケアマネ資格を取得すれば、キャリアアップにもなります。
介護の仕事を続けていくのであれば、ケアマネ資格を取得しない理由はありませんよね。
ぜひケアマネの資格を取得し、キャリアも給料もアップしていきましょう。
これからケアマネの勉強を始めるなら、まずは自分に合う勉強法を見つけることが大切です。
こちらの記事を参考に、あなたに合う勉強法を見つけましょう。
ケアマネの仕事をこれから探すなら、ケアマネ求人の探し方のポイントを押さえておきましょう。